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made in France マルセイユの石けん [プロヴァンス地方]

 今回の仏大統領選で候補者がよく口にしていたのが“made in France”という言葉。

 

 失業率が10%近くにまで達しているフランスでは、製造拠点の海外移転→国内雇用の減少→失業者の増加という現象を無視するわけにはいきません。

 

 そこで登場するのがmade in Franceというわけです。

 

 今日は、そのmade in Franceの一つsavon de Marseilleの話題です。

 

 南仏産のオリーブ油と苛性ソーダで作られたキューブ型の緑色の石けんがsavon de Marseille(サヴォン・ドゥ・マルセイユ)です。

 

 そのルーツは、なんとシリア第二の都市アレッポにありました。

 

 ここではオリーブ油や月桂樹のオイルと苛性ソーダを使って数千年も前から石けんが作られていたそうです。

 

 そしてその製法は今も変わっていません。

 

 このアレッポの石けん(savon d'Alep)をヨーロッパに伝えたのが十字軍です。

 

 マルセイユで作られ始めたのは12世紀の頃。1660年には7つの製造所があり年間2万トンを生産していたそうです。

 

 ルイ14世の統治下にsavon de Marseille(マルセイユの石けん)という呼び名が定着しました。

 

 1688年には勅令が出され、マルセイユ地域のオリーブ油だけを使ったものでなければsavon de Marseilleと名のることはできなかったそうです。


Paris_Marseille.jpg
 

 下記ウィンドウのクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年4月24日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 ここは昔ながらのsavon de Marseilleを作っている最後の工場Compagnie du Savon de Marseilleです。

 

 「この仕事に愛着がありますよ。なにしろ歴史がありますからね」

 

 「石けんというのはいつの時代も使われ続けているものです」

 

 マルセイユの石けんマイスターのミッシェルさんがかき混ぜている釜の中には、オリーブ油と苛性ソーダが混ざったものが入っています。

 

 粘土のように固まったところで、余分のソーダを数時間かけて塩水で洗い流します。これが17世紀から続いて来たやり方です。

 

 石けんをあの立方体の形に仕上げる機械は戦後導入されました。

 

 「代々伝えられて来た石けんですし、昔からこの地域の各家庭で使われてきました。今もこうやって作っていることを誇りに思います」と工場長のエリックさん。

 

 「いい石けんですからねえ。顔も身体も全部この石けんで洗いますよ。吹き出物なんか一つもできません」と工場で働くセルジュさん。この方、お肌つやつやでしたね。

 

 マルセイユの石けんは19世紀〜20世紀初頭には18万トンを生産するほどの最盛期を迎えます。当時は90軒の工場があったそうです。

 

 しかし、1950年頃から合成洗剤の登場でその規模はしだいに縮小していきます。

 

 現在、残っているのは4軒だけになりました。

 

 「元々はロウソクを作る工場だったのが、19世紀に石けん工場に変わったのです」と、同じくマルセイユの石けんを作っているLE FER A CHEVAL社の責任者の方。古い工場の跡を見せてくれました。

 

 火、苛性ソーダ、油などを取り扱うこの仕事は危険と隣り合わせ。そのため先祖の代から守り神を祀っているそうです。

 

 「作り続けて行きますよ。どんどん工場がなくなってしまいましたからね。マルセイユの宝を守って行かなきゃなりませんよ」とミッシェルさん。

 

 マルセイユの石けんは様々なブランドから出ていますが、ここの石けんは一度使ったことがあります。

 

 自然の素材だけを使い、飾り気のないところと、どっしりとした立方体が魅力的です。

 

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******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、風呂に入ったら新しい石けんが置いてあったので試してみた。なかなか良い石けんだったのでずっと使っていたら、僕の彼女が言った。『あれは犬用よ』」

 

VDM (Vie de merde)より




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コメント 6

orange

”産業遺産”のような地下の古い設備ですね。
地中海側の地域を旅行すると各地でこのオリーブ石けんを売っていますね。
我が家にもまだ何個かあります。プロバンス地方の沿岸部には十字軍が出航した港の要塞がまだ残っているところもありますね。
海洋を渡って色々な文化が行き来したのですね。
by orange (2012-04-26 10:52) 

t-toshi

ギリシアでオリーブ石けんを買ってきましたが、いまいちでした。こういうものは、やはりフランス製に限るようですね。
by t-toshi (2012-04-26 16:02) 

carotte

orangeさん
そうですね、あの辺りはあちこちでオリーブ石けんを売っていますね。昔は勅令まで出したようですから、模造品で質の悪いのがたくさん出ていたのかもしれません。
西欧文化にはアラブの影響が思いのほか多いようですね。
by carotte (2012-04-27 08:29) 

carotte

t-toshiさん
ギリシャのオリーブ石けん、お店に寄って当たりはずれがあったかもしれませんね。フランスの方は、いろんなのが出ていて、価格もちょい高めな気がします。でも、ここで作られている石けんは、わりにリーズナブルな値段で、信じられないくらい保ちが良かったです。
by carotte (2012-04-27 08:36) 

opas10

レンガ造りの古い設備にグッときました(笑)。それにしてもこの番組で紹介するものづくりのマイスターはみんないい表情してますね~。今回もミッシェルさんの誇らしげな表情を見ているだけでここの商品のクオリティが伝わってきました。
by opas10 (2012-04-29 17:39) 

carotte

opas10さん
ミッシェルさん、はりきって仕事してました。
確かな技術を身につけているという自信みたいなものがおのずとただよってきますね。
by carotte (2012-04-30 00:35) 

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